おさかな
「億泰ゥ、お前んちの兄ちゃんカルシウム足りねえんじゃねーの?」
帰り道、突然話を切り出してくるのは大体仗助だ。そうやってなかなか帰らせないようにしてるのに気づいたのは最近だけど。
それを言うとなんとなく気まずくなりそうだから言わないでいる、が兄貴の話となるとまた別だ。
「そんなこたねーよ、牛乳飲んでるし」
とりあえずカルシウムとっときゃダイジョウブだろ、と思ってはいるが実際はカルシウムだけじゃだめだなんて承太郎さんが言ってた気がする。
あの人の話は難しいから、聞いてるうちにだんだん眠くなる。子守唄の才能あるぜって褒め称えたいけど、聞いてないことがばれるからこれも言わない。
「うちよー、今やたら小魚あるからよー帰り寄って持ってけよ」
「それは助かるからもらうけどよー」
働ける人がいないから、うちの家計は厳しい。新聞配達くらいじゃ生活は保てない。燃料費が上がっているから余計つらい。
何でだー!俺のバイクがかわいそうだー!と家の中でぐずりたい気分だけどもそんなことしても値段は下がらないのがむなしい。
あんまり考えても頭痛くなるし、その考えはすぐ忘れるだろう。
手渡されたビニール袋にどっさりつっこまれた小魚は親戚からおくられたものだという。だしとるくらいにしか使えないからと仗助の母さんが苦笑していた。
俺もそれくらいしか使い道が思い浮かばないけど、兄貴に渡したら何かしらやってくれるだろう。そういう兄貴だし。
「怒りっぽいの良くないって言っといて」
「ヤダよ、俺がぶたれるだろ」
「お前も怒られなくなるって、絶対」
「そおかあー?」
兄貴はいつだって本気だからグーでこられると本当にたんこぶが出来る。青あざとかも出来る。そのあと何ともいえない顔で湿布持ってきてくれたりする。
鼻血はすぐ止まるって知ってるのに止まるまでちゃんと見てるし、いやー兄貴ってほんとうにいい兄貴だ!と思う。弓矢で勝手に人を射ったりしなければ。
「そーだって、ご飯の後進めたらスムーズに行くんじゃねえ?」
「おお、仗助あったまいい!!」
「だろぉ〜?」
小魚片手に、盛り上がっていること数分。やっぱり仗助は人と離れるってのがあんまり得意じゃねえのかなあなんて思った。
「お前ら、丸聞こえだぞ。」
帰り道、突然話を切り出してくるのは大体仗助だ。そうやってなかなか帰らせないようにしてるのに気づいたのは最近だけど。
それを言うとなんとなく気まずくなりそうだから言わないでいる、が兄貴の話となるとまた別だ。
「そんなこたねーよ、牛乳飲んでるし」
とりあえずカルシウムとっときゃダイジョウブだろ、と思ってはいるが実際はカルシウムだけじゃだめだなんて承太郎さんが言ってた気がする。
あの人の話は難しいから、聞いてるうちにだんだん眠くなる。子守唄の才能あるぜって褒め称えたいけど、聞いてないことがばれるからこれも言わない。
「うちよー、今やたら小魚あるからよー帰り寄って持ってけよ」
「それは助かるからもらうけどよー」
働ける人がいないから、うちの家計は厳しい。新聞配達くらいじゃ生活は保てない。燃料費が上がっているから余計つらい。
何でだー!俺のバイクがかわいそうだー!と家の中でぐずりたい気分だけどもそんなことしても値段は下がらないのがむなしい。
あんまり考えても頭痛くなるし、その考えはすぐ忘れるだろう。
手渡されたビニール袋にどっさりつっこまれた小魚は親戚からおくられたものだという。だしとるくらいにしか使えないからと仗助の母さんが苦笑していた。
俺もそれくらいしか使い道が思い浮かばないけど、兄貴に渡したら何かしらやってくれるだろう。そういう兄貴だし。
「怒りっぽいの良くないって言っといて」
「ヤダよ、俺がぶたれるだろ」
「お前も怒られなくなるって、絶対」
「そおかあー?」
兄貴はいつだって本気だからグーでこられると本当にたんこぶが出来る。青あざとかも出来る。そのあと何ともいえない顔で湿布持ってきてくれたりする。
鼻血はすぐ止まるって知ってるのに止まるまでちゃんと見てるし、いやー兄貴ってほんとうにいい兄貴だ!と思う。弓矢で勝手に人を射ったりしなければ。
「そーだって、ご飯の後進めたらスムーズに行くんじゃねえ?」
「おお、仗助あったまいい!!」
「だろぉ〜?」
小魚片手に、盛り上がっていること数分。やっぱり仗助は人と離れるってのがあんまり得意じゃねえのかなあなんて思った。
「お前ら、丸聞こえだぞ。」
-----------------
実はこれは仗助だけずーずー弁にしようかと思っていたやつ…。
でもずーずー弁って聞かないとわからない!ってことに気づいて。
怒る=ごしゃぐ、兄貴=あんにゃくらいしか変換できなかったのでこのまま!
▲