新年
元朝参りを済ませ、雑煮とおせちを食べ、あとはケーキねなんてはしゃぐ母親にため息をつきつつ自室に戻る。
さすがにこれ以上食べると、もたれる。まずケーキはないだろう。しかも甘ったるいのが好みらしく、すすめられると断れない。
悪いが新年早々気持ち悪い目に会いたくは無いのでさっさと逃げてくることにした。
自室の扉を開けると、そおっと部屋の奥から抜け出そうとするDIOと視線がかち合う。こういう行動に出るってことは、ろくでもねえことをしたってことだ。
「てめー、DIO…待て逃げるな片付けろ」
うりぃ、と小さく呟いてDIOはその場に固まる。どうやったらここまで部屋を荒らせるのかまったく不思議だ。自然に手を額に当ててやれやれと呟いていた。
本棚ひっくり返すな、中身つめるの面倒なんだぞ。使える順番につっこんあったのに大掃除をした意味がねえ。
深く深くため息をつくと満足そうに笑うところがまた憎らしい。すごく小さい悪の帝王だなお前、と言いたい気持ちを抑える。
「承太郎、このDIOに新年の挨拶がまだだぞ」
「お天道様見れねーくせにえらそうな口きくな、手伝え」
「断る」
「日光浴びせるぞ」
しぶしぶ本棚を起こすのを手伝わせる。そもそもお前一人に片付けさせたいんだ。元旦に手間かけさせやがって。
吸血鬼なのか幽霊なのか、もうほとんどわからなくなっている。生きていないはずだが、どうなっているのやら。
花京院に言わせればファンタジーやメルヘンの世界らしいが、お前の存在も同じだぞと突っ込んだら泣きそうな顔をされた。文句は全部DIOに言え。
「そもそもお前、日本人じゃないだろう」
「郷に入っては郷に従えというだろう」
わたしだって学習しているのだぞと腰に手をあて不満げだ。手を離すな、重い。
「片付け手伝ったらしてやる」
「なるほど、取引か」
そう聞くとなるとDIOは早い。なんと言うか、もともと優秀(こういうのはとても腹が立つ。)だからだろうか。
入っていた順番まで覚えていたらしく作業は非常にスムーズに終わった。アルバムに手を出そうとするのを止めるのには苦労したが。
「さあ挨拶をしろ、このDIOに」
えらそうなのがまた鼻につくが約束は約束だ。それを破ったあとのほうがこいつはしつこいし面倒くさい。
同じように正座するように言って、目の前に座らせる。そのままぺこりと頭を下げたまま口を開く。
「あけましておめでとう」
「…むう」
頭を上げると、少し首をかしげながら口元に手を当てているDIO。普通の挨拶だが、和風には慣れていないのだろう。
「わたしが知っているものと少し違うな」
そう言ったが早いか、DIOに強く突き飛ばされる。正座が崩れ、床に倒れる形になり反射的に手を出そうと身体を起こすと覆いかぶさってきた。
「ちょ…っと、待ちやがれてめえっ」
「ヒメハジメとかいうのがあるだろう、あれじゃないのか?」
「ちげえ!つーかお前とはやらん、どけ!」
誰だこいつにそんな単語教えたやつ。どく気がまったく無いらしいDIOをスタープラチナで殴りつけ部屋から逃げる。
その後、初夢でしっかりDIOが出てきてうなされた。こいつといるとろくなことが無い。
今年こそ平穏に過ごしたい。初詣のときに、それを祈ってくれば良かったかと思うが過ぎ去ったときはどうしようもなく、また新しい年が始まる。
さすがにこれ以上食べると、もたれる。まずケーキはないだろう。しかも甘ったるいのが好みらしく、すすめられると断れない。
悪いが新年早々気持ち悪い目に会いたくは無いのでさっさと逃げてくることにした。
自室の扉を開けると、そおっと部屋の奥から抜け出そうとするDIOと視線がかち合う。こういう行動に出るってことは、ろくでもねえことをしたってことだ。
「てめー、DIO…待て逃げるな片付けろ」
うりぃ、と小さく呟いてDIOはその場に固まる。どうやったらここまで部屋を荒らせるのかまったく不思議だ。自然に手を額に当ててやれやれと呟いていた。
本棚ひっくり返すな、中身つめるの面倒なんだぞ。使える順番につっこんあったのに大掃除をした意味がねえ。
深く深くため息をつくと満足そうに笑うところがまた憎らしい。すごく小さい悪の帝王だなお前、と言いたい気持ちを抑える。
「承太郎、このDIOに新年の挨拶がまだだぞ」
「お天道様見れねーくせにえらそうな口きくな、手伝え」
「断る」
「日光浴びせるぞ」
しぶしぶ本棚を起こすのを手伝わせる。そもそもお前一人に片付けさせたいんだ。元旦に手間かけさせやがって。
吸血鬼なのか幽霊なのか、もうほとんどわからなくなっている。生きていないはずだが、どうなっているのやら。
花京院に言わせればファンタジーやメルヘンの世界らしいが、お前の存在も同じだぞと突っ込んだら泣きそうな顔をされた。文句は全部DIOに言え。
「そもそもお前、日本人じゃないだろう」
「郷に入っては郷に従えというだろう」
わたしだって学習しているのだぞと腰に手をあて不満げだ。手を離すな、重い。
「片付け手伝ったらしてやる」
「なるほど、取引か」
そう聞くとなるとDIOは早い。なんと言うか、もともと優秀(こういうのはとても腹が立つ。)だからだろうか。
入っていた順番まで覚えていたらしく作業は非常にスムーズに終わった。アルバムに手を出そうとするのを止めるのには苦労したが。
「さあ挨拶をしろ、このDIOに」
えらそうなのがまた鼻につくが約束は約束だ。それを破ったあとのほうがこいつはしつこいし面倒くさい。
同じように正座するように言って、目の前に座らせる。そのままぺこりと頭を下げたまま口を開く。
「あけましておめでとう」
「…むう」
頭を上げると、少し首をかしげながら口元に手を当てているDIO。普通の挨拶だが、和風には慣れていないのだろう。
「わたしが知っているものと少し違うな」
そう言ったが早いか、DIOに強く突き飛ばされる。正座が崩れ、床に倒れる形になり反射的に手を出そうと身体を起こすと覆いかぶさってきた。
「ちょ…っと、待ちやがれてめえっ」
「ヒメハジメとかいうのがあるだろう、あれじゃないのか?」
「ちげえ!つーかお前とはやらん、どけ!」
誰だこいつにそんな単語教えたやつ。どく気がまったく無いらしいDIOをスタープラチナで殴りつけ部屋から逃げる。
その後、初夢でしっかりDIOが出てきてうなされた。こいつといるとろくなことが無い。
今年こそ平穏に過ごしたい。初詣のときに、それを祈ってくれば良かったかと思うが過ぎ去ったときはどうしようもなく、また新しい年が始まる。
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ひめはじめは1月2日の行事です。DIOさま、間違い。
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