Holy Night
―仗助と承太郎の場合。
夏の少しの間だけ、一緒にいた。冬のS市は寒い。杜王町だって寒い。それは冬だから当然だ。
でも、綺麗になるんだ。街の中がイルミネーションでキラキラって、人はいっぱいいるけど。
良かったら、なんて下心丸出して電話したのが良かったのか、むしろ何でオーケーしたのか不思議だけど、とにかく承太郎さんはこの時期にS市に来た。
「承太郎さんッ、こっち!こっちッスよー!」
自分の声がはしゃぎすぎなのがわかりすぎるくらいわかる。しょうがないだろ若いんだから!若さってことにしておいて!頼むから。
やっぱり承太郎さんは白い。いや、服が。肌がとかそういう意味じゃなくて。確かに、イメージではあるけれど。
それをじじいに言ったら若い時はひどかったぞ、と返ってきたが何がどうひどいのかは教えてくれなかった。そこが肝心だってのに!
いつもより暗い表情のような気がする。何かあったのかもしれない。が、そんなこと承太郎さんが俺に教えてくれるわけもなく。
「すごいでしょう?人もいっぱいいますけど、今年は凝ってるんスよ」
「予想以上だ」
目がチカチカする、とおなじみの帽子のつばを指先でくいと引く。ちょっとした癖。懐かしい。
「さっ!いきましょ、承太郎さんっ!」
「うお」
元気がないのはわかった。痛いくらい。だってこんなに悲しい目をしている承太郎さんははじめて見るから。
そりゃ、俺は承太郎さんについて知ることははじめてのことばかりだ。でも、これはよくない。とてもよくない。
腕を引く。人ごみに繰り出す。多少人にぶつかっても気にしちゃいけない。
「クリスマスなんスから!」
仕方ない、というかわりに承太郎さんは口元だけで笑った。それだけでいいんだ、今は。
夏の少しの間だけ、一緒にいた。冬のS市は寒い。杜王町だって寒い。それは冬だから当然だ。
でも、綺麗になるんだ。街の中がイルミネーションでキラキラって、人はいっぱいいるけど。
良かったら、なんて下心丸出して電話したのが良かったのか、むしろ何でオーケーしたのか不思議だけど、とにかく承太郎さんはこの時期にS市に来た。
「承太郎さんッ、こっち!こっちッスよー!」
自分の声がはしゃぎすぎなのがわかりすぎるくらいわかる。しょうがないだろ若いんだから!若さってことにしておいて!頼むから。
やっぱり承太郎さんは白い。いや、服が。肌がとかそういう意味じゃなくて。確かに、イメージではあるけれど。
それをじじいに言ったら若い時はひどかったぞ、と返ってきたが何がどうひどいのかは教えてくれなかった。そこが肝心だってのに!
いつもより暗い表情のような気がする。何かあったのかもしれない。が、そんなこと承太郎さんが俺に教えてくれるわけもなく。
「すごいでしょう?人もいっぱいいますけど、今年は凝ってるんスよ」
「予想以上だ」
目がチカチカする、とおなじみの帽子のつばを指先でくいと引く。ちょっとした癖。懐かしい。
「さっ!いきましょ、承太郎さんっ!」
「うお」
元気がないのはわかった。痛いくらい。だってこんなに悲しい目をしている承太郎さんははじめて見るから。
そりゃ、俺は承太郎さんについて知ることははじめてのことばかりだ。でも、これはよくない。とてもよくない。
腕を引く。人ごみに繰り出す。多少人にぶつかっても気にしちゃいけない。
「クリスマスなんスから!」
仕方ない、というかわりに承太郎さんは口元だけで笑った。それだけでいいんだ、今は。
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暗い。ちなみにこれは花京院→←承太郎←仗助の片思い三連鎖です。ひどい。
一番可哀想なのは誰だ!!…明日はドタバタ★クリスマスを書きます。
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