お前に聞きたいことがある
---その1
「億泰ー、お前それどこで買った?」
首元でキラッキラ光るドル。馬鹿でかすぎて、億泰のトレードマークにすらなっているそれ。
別に欲しいわけじゃなくて、そんなでっかいの誰が作ってどこで売ってるんだろう?って気になっただけ。
億泰はしばし固まり、口元に手を当てて首をひねり、たっぷり5分くらい考えたあとに口を開いた。
「はんじろー」
「具体的に言うな、バカ!」
※1
あそこまででっかくないけど、あった。S市ネタですいません。
---その2
「億泰ー、お前…それ、どうした?」
「取れたんだぜぇ、すっげえだろ!やらねーぞ」
両手にでっかいファンシーなぬいぐるみを抱える億泰と家の前でばったり遭遇。
赤点呼び出しされて、俺は補習まで行かないギリギリの点数だったから開放されて億泰は居残り。
で、そのあとお前はいったい何をやっていたのか。ふかふかと手触りがいいぬいぐるみと億泰はなんとなく不釣合いだ。
「いらねーけどよ」
「ウソだって、1コやるよ」
右手に抱えていたそれを押し付けてくる。お前に似合わないんだから当然俺にも似合わないだろ、このファンシーなものは。
「ほれ、クリスマス?」
「お前がサンタぁ?世も末だなぁ」
「るせー!」
ぬいぐるみで殴りかかってくるな、可愛い顔がぶちゃいくになるだろ。思わずもらったばかりのぬいぐるみで同じように応戦する。
…ぬいぐるみを抱えた男子高校生が道端でキャッキャしてるとか、世も末だろ。いやでも、楽しいからいいか!
※2
ちなみにカ○パラさん。
---その3
「…億泰、噛むんじゃねー」
「あー?」
じゃり、とまた噛んでから億泰は振り返る。アメを噛む音ってどうも好きじゃない。ささりそうで気になる。
ちょうど風邪気味なのがいけなかったか、朝から女の子集団に喉飴をどっさりもらって億泰と山分けしたのがいけなかったか。
頭がガンガン痛むうえに、不快な音が聞こえてくるとさらに具合が悪くなるような気がする。
「だって欠けてくるだろ」
つまり舌に刺さって痛いと。そうなったら噛んだほうがいいだろ、と胸を張る。ジコボウエイだ!とか言っている。ちょっとイントネーション違うぞ、億泰。
「舐めきれ!頑張れ億泰、俺の頭が割れっちまう」
「…つーか、仗助…保健室いけばいーんじゃねえ?」
それはちょっと、考えてなかった。
※3
飴を噛む人はせっかち。実証済み。(自分で)
---その4
東北の冬は寒い。とても寒い。初体験の億泰がぐったりして俺んちに来るくらい、寒い。
「…いったい何があった!お前が風邪を引くとは有り得ねえ」
「俺だって人間だから風邪くらいひくっつーの!」
バカにすんな、とこたつにもぐってぷるぷる震える億泰は睨み返す。治るまで俺んちで預かることにして、たまに億泰の代わりに俺が親父さんにご飯を届けに行く。
最近猫草がかかってこなくなった。吉良と戦ったときのトラウマでしばらく近づきたくなかったが、ごろごろ喉(…あるのか?)を鳴らす姿は結構可愛いから許す。
「ほれ、ばんこ」
「…ばん…?」
「ああ!あれ、半纏!」
しまった、これって方言かと焦ったが遅かった。へえ、ばんこ。とか繰り返しながら億泰は袖を通す。結構似合うぞ、田舎スタイル。
「俺にうつすんじゃねーぞ」
「仗助も人間だから風邪ひくもんなぁ…」
しみじみといわれると、このバカと返せない。いや、すごくバカなのは俺にだってわかってる。
※4
「ばんこ」はどちらかというと福島寄りの方言です。
「億泰ー、お前それどこで買った?」
首元でキラッキラ光るドル。馬鹿でかすぎて、億泰のトレードマークにすらなっているそれ。
別に欲しいわけじゃなくて、そんなでっかいの誰が作ってどこで売ってるんだろう?って気になっただけ。
億泰はしばし固まり、口元に手を当てて首をひねり、たっぷり5分くらい考えたあとに口を開いた。
「はんじろー」
「具体的に言うな、バカ!」
※1
あそこまででっかくないけど、あった。S市ネタですいません。
---その2
「億泰ー、お前…それ、どうした?」
「取れたんだぜぇ、すっげえだろ!やらねーぞ」
両手にでっかいファンシーなぬいぐるみを抱える億泰と家の前でばったり遭遇。
赤点呼び出しされて、俺は補習まで行かないギリギリの点数だったから開放されて億泰は居残り。
で、そのあとお前はいったい何をやっていたのか。ふかふかと手触りがいいぬいぐるみと億泰はなんとなく不釣合いだ。
「いらねーけどよ」
「ウソだって、1コやるよ」
右手に抱えていたそれを押し付けてくる。お前に似合わないんだから当然俺にも似合わないだろ、このファンシーなものは。
「ほれ、クリスマス?」
「お前がサンタぁ?世も末だなぁ」
「るせー!」
ぬいぐるみで殴りかかってくるな、可愛い顔がぶちゃいくになるだろ。思わずもらったばかりのぬいぐるみで同じように応戦する。
…ぬいぐるみを抱えた男子高校生が道端でキャッキャしてるとか、世も末だろ。いやでも、楽しいからいいか!
※2
ちなみにカ○パラさん。
---その3
「…億泰、噛むんじゃねー」
「あー?」
じゃり、とまた噛んでから億泰は振り返る。アメを噛む音ってどうも好きじゃない。ささりそうで気になる。
ちょうど風邪気味なのがいけなかったか、朝から女の子集団に喉飴をどっさりもらって億泰と山分けしたのがいけなかったか。
頭がガンガン痛むうえに、不快な音が聞こえてくるとさらに具合が悪くなるような気がする。
「だって欠けてくるだろ」
つまり舌に刺さって痛いと。そうなったら噛んだほうがいいだろ、と胸を張る。ジコボウエイだ!とか言っている。ちょっとイントネーション違うぞ、億泰。
「舐めきれ!頑張れ億泰、俺の頭が割れっちまう」
「…つーか、仗助…保健室いけばいーんじゃねえ?」
それはちょっと、考えてなかった。
※3
飴を噛む人はせっかち。実証済み。(自分で)
---その4
東北の冬は寒い。とても寒い。初体験の億泰がぐったりして俺んちに来るくらい、寒い。
「…いったい何があった!お前が風邪を引くとは有り得ねえ」
「俺だって人間だから風邪くらいひくっつーの!」
バカにすんな、とこたつにもぐってぷるぷる震える億泰は睨み返す。治るまで俺んちで預かることにして、たまに億泰の代わりに俺が親父さんにご飯を届けに行く。
最近猫草がかかってこなくなった。吉良と戦ったときのトラウマでしばらく近づきたくなかったが、ごろごろ喉(…あるのか?)を鳴らす姿は結構可愛いから許す。
「ほれ、ばんこ」
「…ばん…?」
「ああ!あれ、半纏!」
しまった、これって方言かと焦ったが遅かった。へえ、ばんこ。とか繰り返しながら億泰は袖を通す。結構似合うぞ、田舎スタイル。
「俺にうつすんじゃねーぞ」
「仗助も人間だから風邪ひくもんなぁ…」
しみじみといわれると、このバカと返せない。いや、すごくバカなのは俺にだってわかってる。
※4
「ばんこ」はどちらかというと福島寄りの方言です。