ひねくれた愛情表現
彼の言葉は、短く簡潔で、心の奥底にすとんと不思議に入り込んでくる。
その短さは物足りないと思うときもあるけれど、それに助けられていることも多い。
口下手なだけだと本人は言うけれど、君はそれでいいと何故か自信を持って応えられる。
「…承太郎、君はあんまり僕にスキだって言ってくれないよね」
今までの旅を振り返ると、いつも求めるのは自分から。彼のほうから、求めてきたことはゼロに等しい。
一方通行ではないのに、彼の気持ちもわかっているはずなのにこうやってわがままを言ってしまうのは悪い癖だ。
ベッドに横になっていた彼は、視線だけでくだらないといってみせる。こうやって目で会話できるようになっただけでも、十分なはずなのに。
「……そうか?」
「そうだよ、ねえ今ここで言って」
じりじりと眠っている彼の横に近づいていって、自然に隣に腰を下ろす。困ったように下を向く。帽子のつばを掴んでため息。いつもの癖。
こうやって困っているときの承太郎はとてもかわいいと思うのは歪んでいるだろうか?それでも可愛いなあ、と思うのだから仕方が無い。僕はそう思うってだけのことだ。愛情、これも。
「今?」
「そう、今!じゃないと僕は君の愛に飢えて死んじゃうから、ねえ」
こうやっていることに怒られない時点で愛を感じているけどね、もうちょっとねだってみたいって気持ちもあるんだ。時に勝負は大胆に行くべきだと僕は思う。
「やれやれ…」
承太郎は帽子を取って、それを僕の顔にぎゅっと押し付ける。恥ずかしいのかな、まさか。見られたくないってこと。それにしては力が強すぎるよ、承太郎。
「言わないとわかんねえのか?」
「ああそうだ、言ってくれなきゃわからないし君手加減してよ!痛いってば!」
ぐぐぐぐと締まってくる指は本気で痛い。君このまま絞め殺す気じゃないよね、冗談はやめてくれ。やりすぎたかな、ついに怒ったかな。君に嫌われるかもしれないと思うだけで背中が冷える。
ぼそり、と何かつぶやいて承太郎は手を離す。帽子の形がちょっとかわってしまったのか、そんなに強い力で締め付けていたのか。じんじんと頭が痛む。
「え?何、聞こえない…承太郎?」
「そのうち」
後ろを向いている承太郎の表情はわからない。でも声音が少し、ほんの少し、上ずっているような。
「…ゆっくりできる時になら言ってやる」
その短さは物足りないと思うときもあるけれど、それに助けられていることも多い。
口下手なだけだと本人は言うけれど、君はそれでいいと何故か自信を持って応えられる。
「…承太郎、君はあんまり僕にスキだって言ってくれないよね」
今までの旅を振り返ると、いつも求めるのは自分から。彼のほうから、求めてきたことはゼロに等しい。
一方通行ではないのに、彼の気持ちもわかっているはずなのにこうやってわがままを言ってしまうのは悪い癖だ。
ベッドに横になっていた彼は、視線だけでくだらないといってみせる。こうやって目で会話できるようになっただけでも、十分なはずなのに。
「……そうか?」
「そうだよ、ねえ今ここで言って」
じりじりと眠っている彼の横に近づいていって、自然に隣に腰を下ろす。困ったように下を向く。帽子のつばを掴んでため息。いつもの癖。
こうやって困っているときの承太郎はとてもかわいいと思うのは歪んでいるだろうか?それでも可愛いなあ、と思うのだから仕方が無い。僕はそう思うってだけのことだ。愛情、これも。
「今?」
「そう、今!じゃないと僕は君の愛に飢えて死んじゃうから、ねえ」
こうやっていることに怒られない時点で愛を感じているけどね、もうちょっとねだってみたいって気持ちもあるんだ。時に勝負は大胆に行くべきだと僕は思う。
「やれやれ…」
承太郎は帽子を取って、それを僕の顔にぎゅっと押し付ける。恥ずかしいのかな、まさか。見られたくないってこと。それにしては力が強すぎるよ、承太郎。
「言わないとわかんねえのか?」
「ああそうだ、言ってくれなきゃわからないし君手加減してよ!痛いってば!」
ぐぐぐぐと締まってくる指は本気で痛い。君このまま絞め殺す気じゃないよね、冗談はやめてくれ。やりすぎたかな、ついに怒ったかな。君に嫌われるかもしれないと思うだけで背中が冷える。
ぼそり、と何かつぶやいて承太郎は手を離す。帽子の形がちょっとかわってしまったのか、そんなに強い力で締め付けていたのか。じんじんと頭が痛む。
「え?何、聞こえない…承太郎?」
「そのうち」
後ろを向いている承太郎の表情はわからない。でも声音が少し、ほんの少し、上ずっているような。
「…ゆっくりできる時になら言ってやる」
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途中まで書いてあって放置してあったから何がしたかったのかいまいちわからない!
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